こんにちは。webライターの古賀やちです。
今回はLGBTQ+に寄り添う存在、「アライ」についてお話しします。
性的マイノリティを意味する「LGBT」、「LGBTQ+」の認識も広まりつつありますが、「アライ」という単語を初めて聞いたという方も多いのではないでしょうか。
先日「アセクシュアル」についての記事を投稿したところ「初めて聞いた!」という感想をたくさんいただきました。
アライと聞いて「また訳のわからない単語が出てきた……」と思われたかもしれませんが、アライは実はとっても身近な存在です。
今この記事を読んでいるあなたもアライになれるのです。
今回はアライとは何かという基本的な部分から、アライとしてできることを紹介します。
アライとは
アライとは「ally」と書き、「味方」や「同盟」を意味する言葉です。
転じて、「LGBTQ+や社会的にマイノリティな立場にいる人のそばに寄り添う人」という意味で使われることが多いです。
レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーなどのようにイメージしやすい性質を持っていないため、なかなか浸透しない、認知度の低い言葉ではあります。
ですが、LGBTQ+がもともとの性的指向であるのに対してアライは自らが「アライになろう」と思えばなれるのです。
私自身、周囲にLやTの友人が多かったこともあり、自分をアセクシュアルだと自認する前からアライとしてできることを続けてきました。
ですがLGBTQ+当事者も、他の性的マイノリティに対してアライでいることが大切だと私は考えています。
アライにできる5つのこと
アライには明確な定義はありません。
基本的なことではありますが、アライとしてできることを5つ挙げてみます。
どれか一つでも、日常の中でふと思い出していただければ幸いです。
当たり前を押し付けない
人と話しているとさまざまな「当たり前」が行き交っていることに気づきます。
- 「○○ちゃんは可愛いからいいお嫁さんになれるね」
- 「これくらいできなきゃ男が廃る」
- 「ゲイをカミングアウトしたあの芸能人、気持ち悪いよね」
うう……読んでいるだけで嫌な気持ちになってきますが、上記の例を参考にすると、
- 「すべての人が異性を好きで、結婚したいと思っている」
- 「男は男らしく、女は女らしくあるべき」
- 「同性愛は認められないもの、おかしいもの」
といったその人の「当たり前」が言葉に出ています。
自分の考えを無理に変える必要はありませんが、それを人に押し付けるような言い方をしていないか、相手が自分と違う考えを持っている可能性はまったくないのか、一瞬立ち止まって考えてみてほしいです。
人それぞれの価値観があることを知る
「当たり前を押し付けない」ためには、人それぞれに違った価値観があることを知らなければいけません。
自分と他人との間に境界線をしっかり引いて、みんながみんな自分と同じ意見を持っているわけではないと知ることが大切です。
自分と違う意見を無理に受け入れる必要もありませんし、自分の言い分で相手の言い分を論破する必要もありません。
- 「あなたはそうなんだね」
- 「そういう考えもあるんだね」
と言うだけでも、「否定されたらどうしよう」「嫌われるかもしれない」と悩んでいる方の救いになります。
答えは一つではないことを知る
LGBTQ+のシンボルと言えばレインボーフラッグです。
私もまだまだこの分野は勉強中ですが、知れば知るほどに人の性的指向は虹のようにたくさんのカラーがあるのだなと痛感させられます。
LGBTQ+というカテゴリーの中にもさらにいろいろな考えを持つ人がいるのです。
例えば、私は他者に性的関心を持たないアセクシュアルを自認していますが、アセクシュアルの中には
- 恋愛感情を抱かない人
- 恋愛感情はあるけど性的関心を持たない人
- 結婚して子どもを持っている人
もいます。
「当たり前を押し付けない」にも含まれますが、
- 「レズビアンって○○じゃないの?」
- 「ゲイだったら○○に詳しいよね」
といったように、このカテゴリーの人はこうに違いないと決めつけるのではなく、目の前にいる人の話を聞く姿勢が大切です。
共感や理解ではなく、寄り添う
「LGBTQ+をカミングアウトされたら理解してあげてほしい」という意見もありますが、私は共感や理解は必要ないと思っています。
無理に共感、理解しようとすると混乱してしまい、返って相手を傷つけてしまう可能性もあります。
異性を好きな方が同性を好きになる感覚がわからないように、同性を好きな方も異性を好きになる感覚がわかりません。
アライにとって大切なのは、共感や理解ではなくマイノリティの立場にいる人たちに寄り添うことです。
同じ考え方を目指すのではなく、それぞれの居場所を認め合って生きていくことが大切なのだと、このセリフから教わりました。
すべての差別を許さない
LGBTQ+に対する差別だけでなく、あらゆる差別を許さないことも、アライができることの一つです。
世界にはあらゆるシーンで差別的な考え方が浸透しています。
- 誰を好きになるか
- どこで生まれたか
- 何色の肌をしているか
- どのような仕事をしているか
こんなことで他人を見下すシーンに遭遇したときにぜひしてほしいことがあります。
それは、同調しないこと。
これだけです。
上司や仲のいい友人に「そんな考えはよくない」と面と向かって言うのは勇気がいりますが、一緒になって笑わない、同意しないだけなら簡単にチャレンジできそうじゃないですか?
許さない!と怒ったり影で悪く言ったりするのではなく、「私はそうは思わない」という意思表示をするだけでも救われる人がいるのです。
LGBTQ+当事者から、あなたに伝えたいこと
ここまで読んで「自分にも何かできることがあるのかな」と思っていただいた方に向けて、LGBTQ+当事者の私からお伝えしたいことを話してみます。
私はアセクシュアルを自認するまではアライであることを表明し続けていたので、そのときにおこなっていたこと、考えていたことも紹介します。
気負いすぎないでほしい
「アライとはLGBTQ+やマイノリティに寄り添う存在のこと」ということさえ知っておいていただければ、自然と視野も広がっていきます。
周囲にLGBTQ+を表明している人がいないと、自分と違う指向を持つ人たちはなんだか得体の知れない恐ろしい存在に思えてしまいますよね。
ですが、何かしなければ!と、変に気負いすぎる必要はありません。
意識しすぎるとしんどいですし、返って何もできない無力さに落ち込んでしまうかもしれません。
LGBTQ+を支援する活動といえばデモやパレードに参加することを思い浮かべるかもしれませんが、もちろん参加しなくても何の問題もありません。
「これをしなければアライではない」なんてルールもありません。
少しでもLGBTQ+に寄り添う気持ちがあるなら、あなたもアライの仲間です。
話を深堀りする必要はない
「私はアライだから何でも話してね」という姿勢を見せることはLGBTQ+にとって救いになることもあります。
ですが、上記でも「当たり前を押し付けない」とお話ししたとおり、「LGBTQ+だから悩んでいるに違いない」という考えを相手に押し付けないことも大切です。
私が以前LGBTQ+の交流会に参加した際、「カミングアウトをしたことはあるか?」という話になったことがあります。
そのとき、複数の方が「ある程度話せば相手が受け入れてくれるかなんとなくわかる」とおっしゃっていました。
普段からアライとして、自分と違う考えを受け入れる姿勢を続けていれば相手は自然と話してくれます。
いきなり変わろう、アライとして役に立とうと思うのではなく、日々の考え方やものの見方を少しずつ変えるだけで大丈夫です。
少しだけ興味を持ってみてほしい
私はアライとして、アセクシュアルとして、世間のさまざまな話題に関心を持っています。
ですが世間には「自分には関係ないから」と問題をスルーしてしまう人が多いのも事実です。
例えば、恋愛対象が異性の方、すでに結婚している方にとっては日本で同性婚が認められなくてもどうでもいいことですよね。
そこで「どうでもいい」「興味がない」と切り捨ててしまわずに、「こんな活動をしている人たちがいるんだな」と少しだけ興味を持ってみてほしいのです。
自分たちの子どもが同性を好きになったら相手を暖かく受け入れられる?友人が同性とのウェディングフォトをSNSにアップしていたらなんとコメントする?と考えるきっかけにもなりますよね。
ほんの少しの興味が、あなたをいい方向に導いてくれます。
アライとしてできることを見つけよう
LGBTQ+に寄り添う存在、アライについて解説しました。
私もまだまだ勉強中ではありますが、多くの人がそれぞれの幸せを手にするためにアライの存在はとても重要だと思っています。
アライとして自分に何ができるか考えるきっかけになれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
普段はwebライターとして、フリーランスとして生きていく方法を発信しています。こちらもぜひチェックしてみてください。
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