こんにちは。webライターの古賀やちです。
私はTwitterやこのブログでもアセクシュアルを公表しています。
アセクシュアルは「他者に性的関心を抱かない人」を指す言葉で、LGBTQ+の「+」に分類されています。
性的関心を抱かないと言ってもその感覚は人によってさまざまですが、私の場合は
「普通にドラマや映画みたいに自分も恋愛を楽しめるに違いない!」
といろいろ試してみた結果
「あれ……?なんか違うな……」
と気づいたパターンです。
そんな私がアセクシュアルを自認したのは最近ですが、これまでの人生を振り返って生きづらいと感じた瞬間を紹介します。
- 今現在アセクシュアルとして生きづらさを感じている方
- 自分はアセクシュアルかもしれないと感じている方
- アセクシュアルについて理解を深めたいと思っている方
の参考になれば幸いです。
LGBTQ+の交流会に参加した体験も紹介しています。悩みを打ち明けられる場所がほしい方はぜひチェックしてみてください。
アセクシュアルあるある?生きづらいと感じる5つの瞬間
Googleで「アセクシュアル」と検索すると「あるある」というキーワードがおすすめされます。
それだけアセクシュアルについて悩んでいる方、自分がアセクシュアルか確認したい方が多いのでしょう。
下記では私がとくに違和感を覚えた瞬間を5つピックアップしたので、こちらもあわせて共感できる部分がないか考えてみてください。
パートナーについて答えられない
「彼氏いるの?」というワードはもはや世間話レベルでよく耳にする質問です。
「いない」と答えると「なんで作らないの?」「どれくらいいないの?」「絶対いるでしょ!」という質問が続きますよね。これはアセクシュアルかどうかに限らず、多くの人が言ったり言われたりしたことがあると思います。
ですがアセクシュアルの私にとってはこれが結構面倒で、パートナーが欲しいという願望がないため何を返しても最終的に気まずい雰囲気になってしまうことが多いです。
- なんで作らないの?→いらないから……
- どれくらいいないの?→2年くらい……?(アセクシュアルが原因で別れた過去を思い出すなど……)
- 絶対いるでしょ!→お世辞を言わせてしまって申し訳ない……
最近はいろいろと気まずくならない返事を考えるのも面倒になってきて、深く話す必要がないシーンであれば脳内で架空の彼氏を作って「彼氏?いますよ!」と答えるという荒業を使っています。
- 3つ年上
- NEWSの加藤シゲアキに似てる
- 趣味は筋トレと映画と車
- 仕事は小学校の教師
- 血液型はAB型
- 誕生日は7月28日
- 直近のデートは水族館
これぐらい設定しておけば話題を掘り下げられてもとりあえず困ることはないのですが、早めに質問してきた相手のパートナーの話に話題を変える工夫も惜しみません!
ですがその後ふと「普通なら盛り上がるはずのパートナーの話題で嘘までついてなんでこんなに疲れてるんだろう?」と我に返る瞬間があり、このときは生きづらいな……と感じます。
ドラマや映画に感情移入できない
ドラマ、映画、小説、漫画、音楽……。世間には恋愛を取り扱う作品が溢れかえっています。
みんなが夢中になっているものに感情移入できないのも、私が生きづらいと感じる瞬間です。
昔から少女漫画よりもスポーツ漫画やバトル漫画ばかり読んでいたのもこのせいかな?と今では思います。
思えばこれまでの人生で理由もなく惹かれあう男女、学校中からモテている男子に愛される女子、職場で恋愛に夢中になっている女性みたいなキャラクターを理解できた覚えがありません。
漠然と「私もこんな風に恋愛して結婚するのだろう」とは思っていたのですが、いまだにその感覚がわからないままいい大人になってしまいました。
「運命の人に出会っていないだけ」と言われたこともあります。
確かにそうかもしれませんが、そもそもあまり恋愛に関心がないため、出会いたいという気持ち自体がないのが現状です。
異性との距離が掴みにくい
他人を性的対象と捉えていない故に、異性との距離が掴みにくいと感じることが多いです。
友人感覚でよく一緒に出かけていたらいつの間にか付き合っていると認識されていたり、普通の男女なら合意と捉えられる行動をしていたり、「そういうつもりではなかったのですが……」と言いたくなる瞬間がたくさんありました。
私自身だけではなく相手を傷つけることにもなり、自分の行動を後悔したことも多いです。
とは言えこれまでの経験から「ここまでは踏み込んではいけない」という感覚がわかってきたのと、30歳にもなると周囲も結婚して落ち着き始めたので、最近はこういったすれ違いはかなり減りました。
なぜか同情されてしまう
アセクシュアルを自認する前から、恋愛や性的な触れあいについてあまり関心が持てないことは自覚していました。
ですがそれを人に言うと「こんなに楽しいのに知らないなんてかわいそう」と同情されることが多く、どう反応すればいいのかわかりませんでした。
「友人や家族と楽しい時間を過ごすのと何がそんなに違うの?」と聞いてみたこともありますが、いまだに明確な答えはわかりません。
ですがこんな時間を楽しいと思えない人に対して「かわいそう」と思ったことはありません。
これはアセクシュアルやLGBTQ+の話というより「みんな同じことを楽しいと思って当たり前」という感覚が強いかどうかの問題なのかな、と感じています。
両親に対する申し訳なさ
自分をアセクシュアルだと自認してから開き直った部分はかなりありますが、それでも両親を見ていると申し訳なくなる瞬間があります。
アセクシュアルでも結婚して出産している方もいますが、私は今のところ結婚願望も子どもを持ちたいという気持ちもありません。
普通に異性との恋愛を楽しめていたら、今頃両親に私のウェディングドレス姿や孫の顔を見せられていたのかもしれないと思うとどうしようもなく辛くなります。
強く「結婚しろ」「孫の顔が見たい」と言うような両親ではありませんが、本心ではそう思っているのだろうと感じる瞬間はいまだに胸が締め付けられます。
アセクシュアルを恥じる必要はない!人生を楽しもう
アセクシュアルの私が生きづらいと感じる瞬間を5つピックアップしてお話ししてみました。
自分のことばかり話してしまいましたが、共感していただける部分はありましたか?
ふとしたことで生きづらさを感じることもありますが、それでも私はアセクシュアルを恥じたり悔んだりする必要はないと思っています。
一人の時間が好きですし、一緒に過ごしてくれる大切な友人もいます。今から無理に恋愛に興味を持つ必要性も感じていません。
ですが、恋愛をしなければという気持ちと恋愛に興味を持てない気持ちとの間で苦しんでいる方が今すぐにすべてを受け入れるのは難しいかもしれません。
私もまだまだ勉強中ですが、そんな方の気持ちが少しでも楽になれるような情報を発信していけたらいいなと思っています。
アセクシュアルについて詳しく書かれている一冊です。アセクシュアルの著者が書いていることもあり、より知識を深められます。こちらもあわせて読んでみてください。
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